【2025年版】ESGコンサルティング企業比較|日本と海外の注目企業と支援領域・選び方のポイント

ESG投資・サステナブルファイナンス
【2025年版】ESGコンサルティング企業比較|日本と海外の注目企業と支援領域・選び方のポイント

1. なぜ今、ESGコンサル企業が注目されているのか

近年、企業の間でESGコンサルティング企業への関心が急速に高まっています。背景には、非財務情報の開示義務が広がっていることや、ESG投資の拡大、人的資本開示の実質義務化といった制度面の変化があります。

とくに2024年には、ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)が策定した国際的な開示基準「IFRS S1(サステナビリティ関連財務情報の全般的開示基準)」「IFRS S2(気候関連開示基準)」が適用初年度を迎え、各国での導入が本格化し始めました。日本企業も「ESGに取り組んでいるか」ではなく、「どのように開示し、改善を続けているか」が問われるフェーズへと進んでいます。

これらの流れを受けて、企業の多くがESG領域に関する知見や実行力を外部に求めるようになっており、それに伴ってESGコンサルタントという職種や働き方にも注目が集まっています。

本記事では、2025年時点で注目されている国内外の主要なESGコンサル企業を紹介し、それぞれの支援領域や特徴を比較していきます。

2. 国内主要ESGコンサル企業5選

2.1 PwCコンサルティング

PwCは、TCFD・ISSB対応や統合報告書の作成、脱炭素戦略の策定に加え、サプライチェーン強靱化やESG評価対応(FTSE/MSCI/CDPなど)を含む支援を実施しています。非財務情報の定量指標設定や収集プロセスの構築、J‑Credit制度への対応支援も得意としています。さらに、Net Zero政策評価やロードマップ作成という、2050年までの財務影響をシミュレーションするサービスも提供中です。

参照:PwCコンサルティング「ESG・サステナビリティ経営戦略」

2.2 KPMGあずさサステナビリティ

KPMGあずさサステナビリティは、非財務情報に関する第三者保証(assurance)を提供し、特にScope 1/2排出量やダイバーシティ指標、グリーン債の活用などに関する保証が広いため、透明性の高い開示体制構築に強みがあります。また、最新の報告高度化に向けて、AI・デジタル技術を用いた報告刷新にも積極的です。

参照:KPMGあずさサステナビリティ

2.3 EY新日本有限責任監査法人 CCaSS事業部

EYのCCaSS(Climate Change and Sustainability Services)事業部は、ISSB/CSRD/TCFDなどの国際開示基準への対応から、非財務リスク評価、内部統制の構築、ESG戦略策定までを一貫して支援します。グローバルネットワークと日本国内の専門チームが連携し、制度対応と経営をつなぐコンサルティングを展開しています。

参照:EY「気候変動・サステナビリティ・サービス」

2.4 デロイトグループ

デロイトグループは、TCFD/ISSB対応、統合報告、人的資本開示、ガバナンス改革、リスク管理など、ESG経営の実装を多面的に支援しています。グローバルネットワークを活かし、海外の事例や最新の規制動向を反映したコンサルティングを提供しており、制度対応と経営課題の橋渡し役として幅広い企業をサポートしています。

参照:デロイト トーマツ グループ「ESG・統合報告アドバイザリー」

2.5 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC)

MURCは、メガバンク系シンクタンクとして、中堅企業・自治体・金融機関を対象に、ESG戦略策定、SDGs関連KPIの設定、脱炭素ビジネス支援、気候変動対応の政策提言などを行っています。再生可能エネルギー事業やBCP(事業継続計画)策定、人権方針策定支援なども手がけており、企業の持続可能性強化を総合的にサポートしています。

参照:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「サステナビリティ(環境・資源・エネルギー・ESG・人権)」

3. グローバルで評価されるESGコンサル企業

ESG支援の本格化が進む中で、日本国内においても、グローバルファームの知見やフレームワークを活用したいと考える企業が増えています。特に海外投資家との対話を重視する上場企業や、グローバル開示基準への対応を求められる企業にとっては、国際展開を持つESGコンサルティング企業との連携が重要な選択肢となっています。

以下に、ESG領域で実績のある注目のグローバルファームを紹介します。

3.1 PwC(PricewaterhouseCoopers)

ビッグ4の一角であるPwCは、日本国内でもESG開示支援やアシュアランス業務を手掛けていますが、海外においても同様に、ISSB・TCFD・CSRDといった国際基準への対応を含め、幅広いサステナビリティ支援を展開しています。監査とアドバイザリーを結びつけ、開示の信頼性を確保する仕組みづくりに強みがあります。

参照:PwC Sustainability

3.2 Bain & Company

戦略コンサルティングを基盤とするBainは、サステナビリティを経営変革の中核に据えています。脱炭素戦略の立案、ビジネスモデル転換、サプライチェーン全体の持続可能化など、長期的な経営課題に踏み込む支援が特徴です。経営層と一体で取り組む実行力を強みとし、企業の持続的成長と社会的価値創出を両立させるアプローチを展開しています。

参照:Bain & Company – Sustainability

3.3 Boston Consulting Group (BCG)

BCGは、Scope 3排出量削減や気候リスク分析、ESG指標と企業価値の接続など、企業価値に直結するテーマを幅広く支援しています。サステナビリティを経営計画に組み込み、変革を実現する戦略コンサルとしての実績は世界的に評価されています。

参照:BCG – Climate Change and Sustainability

3.4 EY(Ernst & Young)

EYは監査とアドバイザリーを両輪とし、国際的な開示基準対応やガバナンス・人的資本領域にまで広がるESG支援を行っています。開示制度の整備と経営基盤の強化を一体で支援できる点に特徴があり、グローバル企業の幅広い課題解決に対応しています。

参照:EY – Sustainability and ESG strategy consulting

3.5 ERM(Environmental Resources Management)

ERMは、独立系としては世界最大級のサステナビリティ専門コンサルティングファームです。気候変動リスク、環境規制対応、ESGデューデリジェンス、非財務情報保証など、実務に密着した分野で豊富な実績を持ちます。グローバル企業との協働を通じて、サステナビリティに特化した高度な専門性を提供しています。

参照:ERM - Environmental Resources Management

このように、戦略・開示・評価のいずれの視点からもグローバルファームには独自の強みがあります。日本企業であっても、海外投資家対応や国際基準での信頼構築が求められる局面では、こうしたファームとの協業が大きな価値を持つでしょう。

4. 自分に合ったESGコンサルティング企業へ転職するには?

ESGコンサルタントとしての転職を検討する際は、「どんな企業が人気か」だけでなく、「自分に合っているかどうか」に着目することが大切です。


ESGコンサルティング企業といっても、得意とする支援領域、関わる業種、組織体制、働き方のスタイルなどはそれぞれ異なります。

たとえば、企業の方針づくりやマテリアリティの特定といった戦略設計に携わりたい方であれば、上流工程を扱うファームを選ぶと力を発揮しやすいでしょう。逆に、ESG報告書の作成や投資家向けの情報整備など、開示実務を通じて制度を形にしていく仕事を希望する方には、開示支援に強みを持つ企業がフィットします。

また、どんなクライアントに関わるのかという点も、働きがいや関心の持続性に大きく関わります。たとえば、上場企業のサステナビリティ高度化を支援したいのか、それとも中小企業や自治体など、社会課題に直面する現場に近いところでESGを広げていきたいのか。自分が「どんな変化をつくりたいのか」に照らして企業を選ぶのがおすすめです。

組織のカルチャーやチームの規模感、職種間の連携のあり方も、日々の働き方を大きく左右します。専門領域を深掘りしていきたいのか、幅広くプロジェクトを横断したいのか。キャリアの描き方に合った組織かどうかも確認しておきましょう。

以下は、ESGコンサル企業を選ぶ際に参考にしたいポイントです。

4.1 ESGコンサル企業を選ぶ7つの視点

4.1.1 関わりたい支援テーマとの一致

例として、企業のマテリアリティ特定や中長期ESG戦略の策定、TCFD・ISSB対応など制度設計寄りの案件に携わりたいのか、ESG評価機関(MSCI・Sustainalytics等)スコア向上や開示書類作成といった実務寄りの案件を希望するのかで、選ぶべき企業は変わります。応募前にその企業の実績事例やプロジェクト事例を確認し、自分が経験を積みたい領域が中心かどうかを見極めます。

4.1.2 クライアント層との適合性

大手上場企業の案件が多い企業では、ガバナンス体制や投資家対応など高度な制度理解が必要になる一方、中小企業や自治体が中心の企業では、限られた予算・人員の中で現実的な施策を組み立てる力が求められます。どちらの現場の課題感に魅力を感じるか、また自分のスキルセットがどちらに向いているかを考えます。

4.1.3 プロジェクトの進め方や関与範囲

大手ファームは役割分担が明確で、専門領域に集中できる反面、全工程に関わる機会は限られることがあります。中小規模のファームや独立系では、提案から実行、フォローまで担当するケースが多く、幅広い経験が得られる代わりに業務負荷が高くなることもあります。自分がどの働き方で力を発揮できるかを想定しておきましょう。

4.1.4 組織の柔軟性や成長性

新しいフレームワーク(例:TNFD、Scope 3算定)への着手状況や、サービスラインの拡大計画、人員増強の動きなどは、その企業の成長ポテンシャルを測る材料になります。説明会や面接で「直近1〜2年で新たに始めた取り組み」を聞くと、現場の変化スピードが見えます。

4.1.5 中長期的なキャリア形成の可能性

その企業内での昇格・異動事例や、別分野へのキャリア展開が可能かどうかを確認します。特にESG分野は経営企画、IR、人事など他部門との接点が多いため、将来的にどの領域に広げられるかが重要です。

4.1.6 給与・報酬体系の納得感

ベース給与だけでなく、残業代の扱い、賞与の算定基準、インセンティブの条件など、総報酬で見極めます。プロジェクトの採算によって変動があるか、固定かも要確認です。求人票や公開情報だけでは読み取れないため、エージェントや内定後面談で具体的な数字や評価方法を確認するのが現実的です。

4.1.7 カルチャーフィット

企業風土や価値観、働き方が自分に合っているかを判断します。面接時の質疑応答や社員インタビュー記事、転職エージェントを通じた内部情報の収集などで、現場の雰囲気を具体的に把握するとよいでしょう。

5. まとめ

ESGコンサルタントとしてのキャリアを考えるうえで、どの企業に身を置くかは、扱うテーマや働き方、将来的な成長の方向性に大きく影響します。
戦略立案を得意とする企業、制度開示に強みを持つ企業、特定業種に特化した企業など、支援スタイルや注力領域はそれぞれ異なります。

どんな課題に向き合いたいのか、どのようなフェーズの支援に関わりたいのかを整理したうえで、自分に合った企業を見極めていくことが、納得感のある転職につながるはずです。

ESG領域に特化した転職支援サービス「サスキャリ」では、ESGコンサルタントとしてのキャリア形成をサポートする求人情報やキャリア相談を提供しています。ESGに関する求人は、企業側の組織体制や案件状況により募集タイミングが限られることも少なくありません。環境変化の大きい分野だからこそ、信頼できるパートナーとともに、自分に合ったステップを見つけていくことが大切です。

監修

サスキャリ編集部

サスキャリ編集部

サステナビリティ・ESG領域に特化した転職支援サービス「サスキャリ」を運営する編集チームです。業界動向やキャリアに役立つ情報を、専門的な視点からわかりやすく発信しています。

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